必然のシンクロニシティ
大好きな作家の山本文緒さんが亡くなったとネットニュースを見て知りました。
びっくりして、職場で変な声をあげてしまいました。
1年くらい前にNHKの朝の情報番組にゲスト出演されているのを偶然車の中で見たのが最後のお姿だと思います。
テレビの中ではお元気そうで、まさか、ご病気で亡くなられるなんてとても思えませんでした。しかもまだまだお若いのに。
山本文緒さんの小説はたくさん読んでいますが、実は私が彼女を最初に知ったのは、小説ではなくエッセイなのです。
「そして私は一人になった」という一冊。
私がこの本を書店で購入した頃、離婚を考え悩んでいたので、この本の題名や本の帯に書かれた紹介文に惹かれてしまったのです。
実際は私はその頃、3歳と0歳の娘がいて一人にはならないのですが…笑
この本は日記を綴ったものが文庫化された物なのですが、これが実に面白いのです。
本の中では山本さんが締め切りに追われ、生活リズムも食事のスタイルも決して丁寧とはいえない、そんな様子が赤裸々に書かれています、
できるだけ簡単に面倒なことはなるべく避けて…みたいな日常。自分のこだわりや性格から分析した行動パターンが気取らずに書かれているので、なんだか友達の生活をのぞいているようなそんな感覚で読んだのを覚えています。
その頃の私は一人で何もかも背負って、朝から晩まで自由のない決まったスケジュールの繰り返しといった生活を送っていました。
故に、ある意味自由な時間を自分の思うがままに使って過ごしていて、時にはちょっと荒んだ(山本さんごめんなさい)な一面も垣間見れる、そんな日記を笑ったり共感したり、羨んだりしながらあっという間に読むなかで、肩の力がふっと抜けた感じがしたのです。
こんなふうに日常を曝け出して、読み手を癒すことができるなんて、すごい!
でも、そこは作家さんだものね…。
今日、久しぶりに本棚を漁って…というほどの本は所有してないのです…笑
なにせ、引っ越しを繰り返すたびに本は手放してきたのですから。
そのお気に入りしか並んでいない本棚の中に20年近く前に購入したエッセイを見つけ、引っ張り出してみました。
エピローグ的なインドの旅行記(これがまた面白い!)の中に若かりし日の山本文緒さんの笑顔が写っていて印象的です。
ブログを書き始めた次の日にこのエッセイを手にするのも偶然とは思えないシンクロニシティ。
そのきっかけが、ご本人がお亡くなりになったことというのは不謹慎だとは思うのですが、リスペクトの込めてブログを書いています。
私もあなたのように自由に、ちょっとだけこだわりをもって生きていきたいです。
そして、それを曝け出して読み手が癒されるそんなブログを書いていきます。
合掌